中学生闘病記

中学生闘病記㉟ 人生の選択 辛い闘病生活を経験したからこそ私が選んだ社会人としての道 





私が長い闘病生活から解放されたのは、
21歳、大学4年生の時だ

大学4年生といえば、
社会人としての就職先を決める時期だ

 

15歳から入院生活を送り、
以来、病院へ通い続けていた私

自分が今、生きているのは
病院で病気を治療してもらったからだ

 

闘病生活をしたことで、
患者からの目線で物事を考えることができる
医者や看護婦さんに支えられた部分も大きい

救える命があることを知っている
自分の経験を活かすことができる
自分と同じように病気で苦しんでいる子供たちを救ってあげたい

 

必然的に医療関係の仕事に就くだろう・・・
看護婦を目指すのかな・・・
家族はそう思っていた

 

ところが、私は医療関係の仕事には全く興味を示さなかった
示さなかったというよりは、あえて選ばなかった
選ぶ勇気がなかった

 

大病を患ったことは、私にとっては辛い出来事だった
辛く、とても苦しい闘いだった
私だけでなく、家族もそうだ
家族にとっても辛い過酷な闘いだった

 

医療関係の仕事に就くということは、
自分と同じような、
いや、もっと深刻な病気を患っている患者や家族に寄り添うことになる

 

そう思ったら、自分の闘病生活がフラッシュバックした
自分が経験したことを今度は別の角度からみることになる
そんな辛いことは私にはできない
荷が重すぎる
そう思った

 

少なくとも自分が「悪性リンパ腫」になったことで
治療の辛さは痛いほどわかる
患者の気持ちを汲みとることも多少なりともできるはずだ

 

でもそれを知っているがゆえに
どう受け止めたらいいのかがわからない
いや、受け止められない

 

なぜなら、自分が病気を患っている本人ではないから
患者の家族ではないから
病気の辛さはその人本人にしかわからないものがある
どんなに言葉をかけてもらっても、
患者本人の本当の辛さや悲しみはわからない
完全には決して理解してあげられない

 

自分が病気を経験したからこそ
それがわかる
だから自分には患者によりそう仕事をすることはできないと悟った

 

そんな私が選んだ就職先は、
ごく普通の会社に勤めるOLだった
医療関係とは全く無縁の職業を選んだ

 

病気を患い闘病生活を送るということは、
誰もが経験できることではない
だからこそ、伝えられることがあるのではないか、
そう思った自分もいる
そして、それは今でも思う

 

でも、そう思う以上に
大病を患った経験は、私にとって大きな心の傷となっている

 

病気になって喜ぶ人なんていない
みんな辛い苦しみと闘っているんだ
そう思うと、胸が締め付けられる思いだ

 

テレビドラマなどでみる闘病生活は、
あくまで理想的な物語にすぎない
実際の闘病生活は、もっと苦しく過酷だ

 

それを表現することは実に難しい
口では表現できないほどの辛さや悲しみがある
決して病気を患った人の気持ちを完全に察することは誰にもできない
自分が病気になったことで身をもって感じた事実だ

 

そして・・・

 

後悔のない就活








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