中学生闘病記

中学生闘病記㉜ 15歳の身体を張った過酷な社会勉強 病気を患ったことで得たものとは 





闘病生活の月日は流れ、
抗がん剤治療も最終段階に入った

胸にできた腫瘍も、
治療を追うごとに小さくなった
幸いにも抗がん剤治療が見事に効いた

 

暗闇の中にいた私に、
明るい光が差し込み始めた

 

15歳、中学3年生の私にとって、
悪性リンパ腫との闘いはとにかく過酷だった
一刻も早く、
この暗闇から抜け出たいと思っていた

 

退院後の治療は、
外来治療と入院利用を組み合わせ、
最終的には外来治療で終了となる

退院しても治療がなくなるわけではないので、
まだまだ辛い現実が待ち受けていた
治療の終わりはまだまだ長い
でも、長い入院生活に一旦終止符を打ち、
元の生活に戻れると思うとうれしくてたまらなかった

 

その間にも、いろいろなことがあった
中学校を卒業し、
4月からは高校生になった

高校には一度も通えていない
治療で入学式には出られなかった
先生の顔も生徒の顔もわからない
頼みの綱は、中学校の同級生だけ
退院後には新たな環境へと飛び込むだけに
それはそれで不安だった

 

でも、そんなことよりも退院できることのほうがうれしかった
治療のゴールがみえたことがうれしかった

 

治療にはいつか終わりがある
でも、病気と必死で闘っている間はその終わりがみえない
あとどれだけがんばればいいのか
どれだけ治療すれば治るのか
それさえもわからない

長いトンネルからなかなか出られない
出ようと思っても、トンネルはどんどん長くなっていく
もがき苦しむしかない
15歳の私はそんな毎日を送っていた

 

それでも出口はやってきた
何度もくじけそう・・・
いや、くじけた
くじけては泣き、くじけては投げやりになる
その繰り返しだった

 

そんな私を一番近くで支えてくれたのが家族だ
「病気と闘うには家族の支えが必要だ」
こんな言葉をよく耳にするが、
まさにその通りだ

 

一人だったら挫折していただろう
治療から逃げ出しただろう
それでも、治療から逃げずいられたのは
やはり家族がいたからだ

 

自分を待っている家族がいる
私が病気になったことで、
いろいろなことを失ったはずなのに、
それでも私に寄り添い、
必死で支えてくれる家族がいた

 

病気を治して家族と元の生活に戻りたい
当たり前の生活を取り戻したい
それが私の願いであり、家族の願いでもあった

病気を患ったことで、
家族の絆が深くなったことは確かだ
病気になったことで、
家族に支えられていることを痛いほど感じたのも事実だ

 

病気をしたことで、得たものもあるんだな・・・と思う
15歳の私にとっては身体を張った社会勉強だった

 

退院し、病院の外に出ると・・・









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