中学生闘病記

中学生闘病記㉚ カツラで出席した中学校の卒業式 友達の優しさや絆を感じた瞬間    







カツラ姿の自分の姿に心がポキッと折れた私であったが、
カツラ姿を初お披露目する日が急遽決まった

 

私にとって想定外の出来事であったが、
うれしい出来事でもあった

 

入院治療中でも中学校の卒業式に出れることになった

 

もちろん、治療の真っ只中であったが、
中学校の卒業式は一生に一度しかない
卒業式だけは何とか出させてやりたいと願う両親の申し出が許可された

 

治療のスケジュールを調整し、
卒業式までには免疫力を回復させる
回復すれば外出許可が出せる
卒業式の日程に合わせて外出許可を出すという流れだ

 

入院して以来、
学校へは一度も通えなかった
通いたい気持ちを押し殺し、治療に専念するしかなかった

そんな私でも、卒業式に出れる
そう聞いたときは、とてもうれしかった

 

ところが、
その気持ちが日に日に不安へと変わっていった
出ないほうがいいのでは・・・
そう思うようになった

 

友達には会いたい
でも、変わり果てた姿を同級生全員にさらすことになる
同級生の親も式に来る
周りから病気の子だ、病気の子の親だという目でみられることになる

卒業式に出なければ、
そんな思いをしなくていい
やっぱり出ないほうがいい、そう思い母に気持ちを伝えた

 

すると母は私にこう言った
出たくないならそれでもいいけど、きっと後悔するよ
中学校の卒業式は一生に一度しかない
やっぱり出たかったと思っても過去には戻れないよ

 

母の言葉で揺らいでいた気持ちが固まった
卒業式に出なければ、
一生会えなくなる友達がいる
みんなに会いに行こう、そう思った

 

ドキドキしながら学校へ向かった私
卒業式に出ること知った友達が、
門の前で待っていた

ものすごくうれしかった
病気を患ったことで、
自分の周りにいた友達がだんだんと離れていってしまう気がしていた
友達がいなくなることが恐かった

 

でも、そんなことなかった
そこには、私の知っている友達がいた
久しぶりと迎え入れてくれた友達がいた
入院前と何もかわらない友達が待っていてくれた

 

同級生は200人ほど
もちろん、私の姿をみてコソコソと何やら話している子もいた
ジロジロと興味本位でみてくる子もいた

正直、嫌だなと思った
辛いな、と思った

 

でも、それを察した友達が、
必ずフォローしてくれた

 

ただ、病気しただけじゃん
何も悪いことしていないんだから気にしなくていい
そう声をかけ、私のそばにずっといてくれた

 

友達のおかげで、卒業式にも無事に出ることができた
私の背中を押してくれた母には、
本当に感謝している

 

私は、一生に一度しかない中学校の卒業式での思い出を
失わずに済んだ
友達に囲まれて自然と笑っている自分がいた

 

そして、私は・・・











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