中学生闘病記

中学生闘病記⑳ 不安で母と手をつないで寝た日 命の恩人である医師から予言された言葉





そんな私の声をかけたのが、
私の担当の看護婦さんだった
手に負えない私の様子をみていた彼女が、
私にこう言った

 

やっと本音が言えたね
入院してからずっと我慢しているのを知っていたよ
いつも辛いのに一生懸命笑おうとしていて
そんなあなたをみていて何とかしてあげたいと思っていた

辛いよね、苦しいよね
その気持ちをぶつけてくれたらいい
お母さんも私の受け止めるから
だからどんどん辛いことを言ったらいい
嫌だと思うことを言ったらいい

そう言って私とギュッと抱きしめた
私はただただ泣くしかなかった

 

今まで辛くても我慢していたことが
一気に溢れ出た
苦しいこと、辛いこと、悲しいこと・・・
自分の中でため込んできた思いを涙と共に吐き出した

今まで言えなかったことを吐き出したことで
ほんの少しだけ心がすっと軽くなった

 

その夜は、母と手をつないで寝た
これからどうなっていくのかわからない不安
辛い気持ちで押しつぶされそうな自分が恐くて
母と手をつないで寝た

母と手をつなぐなんていつぶりだろう
母の手はあたたかく、
手をつないでいるとほっとした
母がそばにいてくれてよかった
心の底からそう思った

 

母は当時を振り返ると
必ずこの時の話をする

 

母は何度も力強く私の手を握った
大丈夫だから・・・
そう私を励まし続けていたに違いない

 

私の病気を診断した小児病棟の院長先生は少し変わっていた
病院にいなければ、ただの恰幅のいいおじいさんだ

 

名医と称される先生は、
週1回の回診で治療でフラフラになっている私の様子をみては
「苦しいな~、辛いな~」
「相当ダメージがきているな~」
そう言っては笑顔の表情をみせた

 

普通なら、小馬鹿にされているように感じて怒れてしまいそうだが、
先生の発言をきくと確実に回復に向かっている気になり
どこかほっとする自分がいた

 

大丈夫
薬はしっかり効いている
5年後には、あの時の病気はなんだったのだろう
必ずそう思える
大丈夫だから
そう言っては私の肩をポンっと軽く叩いて病室を出て行った

 

そして、その言葉は現実となった
まるで預言者のような先生だった
とにかく先生からは他の先生とは違うオーラが溢れ出ていた

 

そして、私の病状にいち早く危険を察知し
命を救ってくれたのが院長先生だった

院長先生のもとを訪れていなかったら
あの時の自分はどうなっていただろうか・・・
そう思うだけでぞっとする

 

院長先生は、私を治療という過酷な闘いへと追いやった人ではあるが
私の命を救ってくれた恩人でもある
今の自分の命があるのは、先生と出会えたからだ

 

恩人の院長先生は、ガンという病に倒れ、
すでに他界されてしまった
先生に失いかけた命を救ってもらった私
先生には感謝してもしきれない

 

中学3年生の私は・・・

 





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